人前で13年前のことを話すようになってから、もうしばらく経つ。
「ああ、あの時の」という反応が、時々来る。
自分は有名なヒーローなんかじゃない。胸を張って語れることではないと、今も思っている。
それでも、伝える意味はある。
「僕の失敗を、皆さんには生かしてほしい」と。
阿部任(じん)さん(29)は東日本大震災当時、高校1年生。
3月11日は、現在93歳になる祖母と、宮城県石巻市の実家にいた。授業は休みで、昼過ぎまで寝坊をし、布団の中で携帯をいじっていた。
大きな地震が来た。
学校でずっと「宮城県沖地震…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル